第8章 だいすき
部屋で一人になると自然と笑いがこみあげてくる。
この部屋で、このベッドで……、ミシェルと……したんだ。
すごく恥ずかしいけど、すっごくうれしい!
ミシェルのことがすごく……、すごく大好き!
窓のほうから物音がして、見てみるとミシェルが立ってた。
「えーっ!」
私、一人で半笑いのところ見られたかも……。
たぶん見られた、いや確実に見られた……。
「えへへ」
と、彼は笑いながら言った。
「確認しにきた」
「確認? なんの?」
「これ」
彼は私の鎖骨を服の上から指でぎゅうっと押さえる。そして上から少し服を引っ張ってのぞきこむ。
「やっぱり消えそう……。今度は反対側かな……」
と独り言のようにつぶやく。そして私の顔を見てにっこりと微笑む。
「シャワー借りていい?」
「えっと……。最初からやりすぎると嫌われるとか……」
私がそう言うと、彼は私の目をじっと見て言う。
「きらい?」
私は少しうつむいて笑う。そして彼の目を見て答える。
「だいすき」