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冬の夕空

第7章 昨日の続き


「そういえばミシェルって歳いくつなの?」

「えっと……」

「あ、聞いたらいけない方向の話だった?」

「24」

「にじゅうよん?」

「え? 相応じゃない?」

「いえ……、なんか普通で……」

「普通でしょ?」

そう言ってフフッと意味ありげに笑う。

ふうん……。

「レオンもそれぐらい?」

「おなじ」

「子どものときにレオンにキスしたって本当?」

私がそう言うと、彼は声をたてて楽しそうに笑った。

「確かにしたけど……。その話、正しくないな」

「そうなの?」

「したのは僕じゃなくてレオンだ」

「……へぇ。子どものときからレオンと友だちなの?」

「うん」

「じゃあレオンも……なの? 悪魔……んっ」

口を唇でふさがれた。
舌をゆっくりと動かしてやさしいキス。

ごまかされてる……。
でも、しょうがないのかな……。

よけいなこと聞いていっしょにいられなくなったらいやだもん。

彼は唇を離してにっこりと微笑む。

「ホットケーキ作れる?」

「うん、作れるよ」

「食べたいな」

「いいよ。ちょっと待ってね。先に軽くシャワー浴びてくる」

「あ、鏡でここ見てみて」

そう言って彼は自分の左側の鎖骨の下のあたりを指差した。

お風呂場で鏡を見てみると、その場所に赤いアザのようなものがあった。押しても全然痛くないけど……、なんだろう、これ。

シャワーを浴びながら、ふと思い出す。
そういえばミシェル昨日、唇でここ吸ってたような……。
これってキスマークってやつ? こんなにはっきりとつくんだ……。ここって服で隠れるよね……、微妙かな。なんか恥ずかしい。でも……、ちょっとうれしい……かも。

お風呂場から出て、彼に聞いてみた。

「これつけた?」

「つけた。良い出来」

彼はうれしそうににっこりと笑う。

「消えるよね? これ」

「二日ぐらいかな? またつけてあげる」

そう言って彼はそこに唇をあてた。


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