• テキストサイズ

冬の夕空

第6章 たましいあげる


教会のイスに座り、私は考えていた。
明日も仕事だけど家に帰りたくなかった。
給料が一日遅れた。たった一日だけど、今まではこんなことなかった。やっぱり……、前にミシェルが言っていたように、あの店もう危ないのかな。だとしたら他に働くところを探さなければ。

でも……、ここを離れたくない。
ここにはミシェルがいるから。
彼らもずっとここにいるわけじゃなさそうだけど……。少しでも、一日でも長くいっしょにいたい。

どうしたらいいのかなぁ……、神様……。

「こんなところで寝てたら風邪ひくよ」

声をかけられ、顔をあげるとミシェルがいた。

「起きてます。……いつからいましたか?」

「さあ……、ちょっと前?」

「ぜんぜん気づかなかった……」

私はミシェルの顔を見ながらふと考えた。

そういえば彼は悪魔なのになぜ教会に来るんだろう。

ていうか悪魔といえば……。いや、でも教会でこんな話してもいいのかな……。

ミシェルは私の顔をのぞきこんだ。

「寝ぼけてる?」

「起きてます。あの……」

「なに?」


/ 78ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp