第11章 誘惑ストラテジスト(小早川隆景)
「兄様方にはいつも…あのような誘いを?」
「あ…はい、でもからかわれているだけだと思います……私なんて…」
少し困ったように笑うに隆景は小さな苛つきを覚えていた。
同時に兄達に対しても。
「……………」
「隆景様…?」
急に訪れた沈黙を疑問に思い隆景の名を呼ぶ。
「…」
「はい」
「次に…兄様方に誘われる様ならしっかりと断りましょうね」
「え…?あ、はい…」
優しい言葉とは裏腹にどこか熱の入った隆景の言い方に曖昧な返事を返してしまう。
「あぁ、唇も少し切れていますね…乾燥でしょうか」
「えっ?」
隆景の綺麗な指がの唇を優しくなぞる。
「…っ///!?」
「確か…舐めれば治るのでしたね」
「たっ…隆景様っ?///…あ、……っんぅ…」
の答えを聞かないまま隆景は唇を重ねる。
時折ちろちろと舌を這わす。
その度には瞳をぎゅっと瞑った。
「んっ…はぁ…隆景、さま……」
「良い顔になってきましたね……」
角度を変えては唇を重ねる。
慣れない口付けの苦しさにの目には涙がうっすらと浮かんでいた。