第37章 無双学園生徒会執行部。『December』(逆ハー)
目が覚めて、部屋の時計を確認する。
「もう、お昼過ぎ…か、」
「起きたか」
「!!?…み、三成先輩…!」
身体を起こすとベッドに腰掛けて本を読んでいる先輩と目が合った。
「すまない、よく眠っていたのでな、勝手に本を借りた」
「いえ……あの、先輩、ずっと側に居てくれたんですか…?」
そう私が聞くと三成先輩が少し頬を染めて言いにくそうに口を開いた。
「お、お前が…っ、」
「……私、何か…」
「お前は、俺の…モノだとか…触って…良いとか、言うから…」
な ん で す と !?
「私…そんな事を……?」
つまり、眠る前に…言えてないって思ってた言葉は実は言えていて。
しかもバッチリ三成先輩に伝わっていた…って事なんだろうか。
熱に浮かされていたとはいえ、恥ずかし過ぎる。
さっきまでは伝えたいと思っていたのに、いざ冷静になってみるととんでもない。
「その様子じゃ……熱は下がったみたいだな」
「あ…そう言えば、怠さがないです」
「そうか」
そう言うと、先輩はパタンと本を閉じて、組んでいた足をほどいた。
「なら、もういいか」
「…あ、はい、帰宅していただいても後は大丈夫です……」
少し寂しいけどしょうがない。
私の看病にずっと付き合わせるわけにはいかないのだから。
「馬鹿、そうではない」
「え…?」
「もう触って良いのかと聞いているのだよ」
「触…っ?!えぇっ!」
ベッドに上がった三成先輩はドンドン距離を縮め、あっと言う間に私はベッドの角、壁際へと追い詰められる。
「言いたい事だけ言って寝たんだ、責任は取れ」
「責任って……」
伸びてきた手が私の首元に触れる。
「ひゃ、あ…」
「汗も掻いただろう、体を拭いてやる」
「い、いいですーっ!!先輩…!」
慌てる私を見て先輩はニヤリと笑った。
「見ろ、クリスマスらしくなってきたのだよ」
「へ………?」
三成先輩がカーテンを開ける。
窓の外にはふわふわと舞い散る雪。