第37章 無双学園生徒会執行部。『December』(逆ハー)
「あ、えと……は、い…」
迷ったけれど、勇気を出して少し素直になって。
小さくそう返事をしたら、三成先輩はベッドの端に腰を下ろした。
急に縮まった距離に、今部屋に二人きりだと言う事を意識してしまう。
一度そう頭に浮かんでしまったら、もう拭えない。
顔に熱が集まる。
「顔が赤い、熱が上がったか?」
あぁ、ダメ。
好きだと自覚した時もそうだった。
先輩と、どんな距離感で話していたんだっけ。
おでこには、三成先輩の手。
「大丈夫、です…」
「少し眠れ、側に…いてやるから」
繋がれたままの手に力が込められる。
おでこにあった手は優しく動き、撫でられる。
「先輩の手、ヒンヤリしてて…気持ちいです…」
「…………っ、そうか…」
三成先輩の顔が心なしか赤い。
もし、移しちゃってたら…心配だな。
でも、
このまま側に、居て欲しい……。
段々と思考回路が回らなくなってきた。
瞼も重い。
「あまり、煽るな……触れたくなるだろう…」
瞼が閉じる直前に聞こえた言葉。
私はもう三成先輩のモノなんだから、触って良いのに…そう思ったけど言葉に出来ないまま私は意識を手放した。
寒い、
だけど、
右手だけはずっと温かい。