第36章 無双学園生徒会執行部。『November』(逆ハー)
「すまん、はいるか」
「い、石田先輩…!!///は、はい!呼んできます!」
後夜祭に間に合う様に各クラス片付けに追われる中、17時ピッタリに三成はの教室を訪れた。
のクラスメイトに頼んで彼女を呼んでもらう。
しばらくして頼んだ子が戻ってきたが、隣にの姿はない。
代わりに現れたのは緊張した面持ちの別の生徒。
食券販売をしていた女の子だった。
「あの、ちゃん何ですけど…ここに今いないんです…」
「いない…?」
「顔見知りっぽい三年生の女の先輩と二人で何処かへ行ったままなんです…友達って言う雰囲気じゃなかったから、ちょっと心配で…」
「………」
三成の頭の中が猛スピードで人物の割り出しに動く。
「…まさか、」
思い当たる節はただ一つ。
もしもそれが当たっていたとしたら。
「すまん、手間を掛けたな」
「いえっ//」
三成はすぐに引き返してを探し始めた。
その頃、屋上ではーーーーー。
「寒い……どうしよう…」
あの先輩が立ち去ってから結構経った様に感じるけれど、今一体何時なんだろう。
頼みの携帯電話もクラスの模擬店の仕事中だったため、鞄の中だ。
「三成先輩、怒ってるかな…約束、すっぽかしちゃったし…」
いっそフェンスをよじ登って下に飛び降りたら何とかなるだろうか。
いやいや、いくら運が良くても絶対に無傷じゃすまない…。
ならば扉を蹴破るか?
それも到底無理だろう…。
脱出方法を思い付いては揉み消しを繰り返し、私は冷たいコンクリートの地面に座り込んだ。
「はぁ……」
後夜祭の締め括りには花火が上がる。
三成先輩と、一緒に見られるかもって思ってたのにな…。
それどころか花火が終わっても気付かれなければ私は一晩中ここにいる羽目になる。
ふと、開く筈のない扉を見る。
私が危ない時、困ってる時、必ずと言って良いほど三成先輩は来てくれる。
今だって、もしかしたら。
「三成、先輩……」
淡い期待を乗せてその名を呼ぶ。
あぁ、ダメだ。
泣いたってどうしようもないのに、涙が溢れてくる。
「っ!!!」
聞こえたのは、会いたくて堪らなかった人の声。