第33章 無双学園生徒会執行部。『Summer vacation』
ザワリ。
ザワリ。
私と豊久くんと清正先輩とで海に入りビーチボールを投げ合っていたのだけど浜辺がザワついているのに気付く。
何事かは目で見たら一発でわかったのだけど。
「校内校外問わず…目立ちますね、さすが…」
広げたビーチパラソルの下、キラキラとしたオーラを放つ三人が優雅に過ごしている。
そんな様子を見て周りの女の子達が放っておく筈がないのだ。
「三人は…泳がないんですかね?」
「泳ぐタイプに見えるか?」
「うーん、見えませんね」
「だろ」
静かに本を読んでいる隆景くんのとなりで会長はアイスティーを啜っている。
何でもない光景なのにこの人達がすると絵になるんだなぁ…。
ふと、更にとなりにいる三成先輩を見ると目が合った気がする。
気のせい…なのかな?
その時は特に気にする事なく私は遊び続けていた。
それよりも三人の周りに女の子達が集まり出してる方が気になる。
「馬鹿!豊久何処飛ばしてんだ!」
「ごめん!」
「あ、私が取るよ」
清正先輩に向かって投げた豊久くんのボールが私の後ろに落ちる。
ボールを拾おうと手を伸ばしたその時だった。
「え…………!!?」
一瞬だけ日差しが遮られて、
その後息が出来なくなった。
(………ヤバい、波が…!!)
藻掻いても藻掻いても海面には上がれない。
苦しい。
このままじゃ…!
意識が遠退いていくその中で、誰かが私の腕を掴んだ。
それが一体誰なのか。
確認出来ないまま私は意識を手放した。