第33章 無双学園生徒会執行部。『Summer vacation』
「「「「……………」」」」
「あの、そんなにジロジロ見ないで貰えますか…」
勇気を出してビキニ…は着れなかったのでワンピースタイプのベビーピンクの水着。
去年友達とプールへ行くために買ったこの水着は脚は出るものの、ホルダーネックのAラインでフワリとしているので体のラインも出にくい。
それでも、やっぱり見苦しいのだろうか…!
「あの、私……何か羽織るものをとってきま「可愛い!!!!」
「え」
「先輩すげー可愛い!行こう!待ってる間に浮き輪膨らましといたんだ!」
「ちょっ…豊久くんっ」
ちょっと落ち込みかけた私の腕を掴んで浜辺へと走り出す。
「…あれは反則だね」
「ろ、露出多過ぎじゃねぇか…?」
「私はあれくらいがとても良いと思いますけど」
「隆景、どこぞの馬の骨にちょっかい掛けられたらどうするつもりなのだ」
後ろに残してきた皆が密かに団結していたなんて私も豊久くんも知る由もなかった。
「先輩!こっち!」
「う、うん…!わぁ……」
海はとても澄んでいて浜辺と同じ白い砂が水底にもはっきりと見えた。
「綺麗…」
ちゃぷりと足を水に入れる。
冷たいけれど、日差しの暑さもあってちょうどいい。
「………//」
「豊久くん?」
さっきまで騒いでいた彼が急に静かになったので気になって視線を送る。
いつも弾けたように笑っているのにこの時はこっちを見て穏やかに微笑んでいたものだからーーー。
「…っ」
不意を突かれて心臓が高鳴り出す。
「先輩」
「ん?」
「……先輩のが綺麗」
「…っ//何言って…」
「ちょっとだけ、ぎゅってしていい?」
「…そ、そんなのっ」
「…ね、お願い」
「…!!」
出た…!子犬のお願い攻撃!!
うぅ…ずるい!
少しなら、と豊久くんの方へ体の向きを向けた私の背中越しに声が届いた。
「駄目に決まっているだろう」
「…三成先輩!」
「…ちぇー、もう皆来ちゃった」
「何がお願いだ、馬鹿。お前も簡単に流されるな」
「清正先輩…ですよね…何でか罪悪感沸いてきちゃうんですよね、ハハ…」
「…泳ぐんだろ?波にも流されんなよ」
「はい」
さぁ、全員揃ったところで海水浴開始です。