第30章 無双学園生徒会執行部。『June』(逆ハー)
放課後ーーー。
生徒会室で仕事をしているのは信之と三成の二人だけ。
他のメンバーは各委員会の委員長の元へ行き仕事をしている。
は必要な資料を三成に頼まれて職員室まで取りに行っていた。
「…を追い出して私に何かあるのかな、三成」
「………」
したたかに笑う信之を三成は静かに睨み付けた。
「アイツが、嫌がらせにあっている事…お前は知っているのか」
「………あぁ、知っているよ」
信之の返答に三成は机の下で拳を握り締めた。
もしかしたらの推測は当たっているのかも知れない。
「アイツは…雑務に選ばれた理由を自分ならトラブルを回避出来るからだと言っていた」
「…その通りだ、あの運の良さは彼女を守る。それに芯の強い彼女なら泣き言も言わないだろう」
「……本気で言っているのか、信之!」
ガタンと音を立てて三成は立ち上がった。
回避?
出来ているはずがないだろう。
『実害がないからですよ』
ないわけないだろう。
表面上の傷がなかったとしても内面はどうだ?
もし、傷付いているのだとしたらそれはーーー。
「実害だろう…っ」
「戻りましたー、何なんですかこの資料…メチャクチャ重た…ってい、石田先輩!!?」
ちょうど職員室から戻ったの腕を取り三成は生徒会室を出る。
突然腕を引かれの持っていた大量の資料は床に散乱した。
「会長が素直にそうだと認めるからですよ」
「…隆景、聞いていたのか?」
「いえ、そうかなと思いまして」
三成とが去った後、入れ換わりで隆景が生徒会室に入ってくる。
「三成先輩は真っ直ぐにしか生きられませんからね」
「私は彼女なら大丈夫だと本気で思っているよ」
「それは同感です、も真っ直ぐな人ですからね」
そう言って床に散らばってしまったプリントを二人で集め始めたのだった。
その頃、を連れた三成は今朝の図書準備室にいた。