第2章 第二章 禁断 澤村 大地
校門が見え、その先にはしゃがみ込んでいる未羽と、旭が居るのが分かった。
俺は全力で走って、勢い良く旭に殴りかかった。
大地:旭ー!お前、未羽に何行ったぁぁー!!
旭:えっ?
旭は顔面に俺の拳を受けて地面に倒れ込んだ。
大地:ハァ…ハァ…ハァ…。
未羽:お、お兄ちゃん!ちょっと落ち着いて
未羽が焦りながら、俺の方へ駆け寄ってくる。
大地:うるさい!お前は黙ってろ!
旭:いててて…何するんだよー。大地ー。
旭のゆるい話し方に更に怒りが増す。
大地:未羽に何言ったんだって聞いてるんだよ!
すごい剣幕で旭に怒鳴っている俺に、未羽が口を開いた。
未羽:お兄ちゃん!落ち着いてよ!人の話しを聞いて!!
未羽は俺の腕に両手を置き必死で訴える。
大地:妹泣かせれて落ち着いてられる…わけ…ないだ…ろ…
俺は未羽の方をゆっくり見た。
大地:え?お前、泣いてたんじゃ…
俺は訳が分からなくなって固まってしまった。
すると、後ろからスガの声が聞こえた。
スガ:おぉーい!凄い声聞こえたけど、どーなったんだー?
俺達はスガの方を向いた。