第18章 18日目
「…今日何する?」
「何もしなくていいよ、お家でゆっくりしよ。」
昨日も夜遅くて毎日仕事詰めでやっともらえた3日間の休みくらい、ゆっくりしてほしい。私に気を使うなんて、そんなの嫌だ。
「どこか行きたくないの?」
「人、いっぱいだからお家がいいよ。寒いし。」
「…、いい子。」
「ふふ、独り占めしたいだけです。」
そう言っただけなのに、二宮くんが自分のおでこをを私の頭にぶつけて、ごつっと鈍い音がした。
「いたっ」
なんでそんなことするのよ、と頭を上げると、二宮くんが口を尖らせていた。な、なんで不機嫌。
「どこで覚えたの、そのテクニック。」
「は、い?」
二宮くんの耳が赤い。
「…二宮くん、もしかして照れてるの?」
「うっさい、馬鹿。」
「あはは、二宮くんの馬鹿は照れ隠しだ!」
「違う、馬鹿には馬鹿って言うんです。」
「はいはい、私は馬鹿で可愛いんですよね。」
「あーやだやだ!自分で言ってますよ、この子!」
「二宮くん、そんなに嫌なら離してくれればいいのに、」
「それは嫌だ。」
「あはははは、」
初めて二宮くんに意地悪で勝てました。
この人に勝つには、朝が狙い目のようです。