第15章 15日目
「…私、嬉しいよ、今凄く、」
ほんとだよ。もう大丈夫だよ、
二宮くんがこうやって抱き締めてくれたから
もう大丈夫だよ。
二宮くんの背中に腕を回す。
すると、抱き締められていた腕が緩み、少しだけ体と体に隙間が出きる。そのお陰で二宮くんの胸に埋まっていた顔を上げることが出来た。やっと顔が見える。
きっとグシャグシャに崩れた私の顔。頭に添えられていた左手で、頬に流れる涙を拭ってくれる二宮くんはいつものように笑ってくれなかった。
「…2人だけだったら、」
「…え?」
「だけ傍に居てくれたら」
「……」