第15章 15日目
ただ単純に私を求めてくれる二宮くんが
嬉しくて微笑んだ。
その時はこの言葉を
簡単に受け取っていたのかもしれない。
二宮くんのこの行動も何もかも全て。
『 二人きりじゃない世界 後半 』END.
飯も食って、マネージャーと店を出ようとしたら、偶然を見かけて思わず足が止まった。後ろからどうかしました?と前を覗きこむマネージャーが「うわ、荒いナンパですよ」と言う。
ニヤニヤする男二人組と抵抗するの姿。
が危ない目に遭いそうなのに、すぐにその場へ出て行けない自分がいた。
しかし、しつこそうな男に我慢も限界に達し、このあと起こるであろう様々な面倒事を覚悟しての前に出ようとした時、
住久くんがの前に出てきた。
住久くんのお陰で男達は大人しく居なくなったが、住久くんがの手を取り大丈夫か、と聞く姿にとんでもない自己嫌悪に教われた。
何、やってるんだろう私。
大切な人も守れないで、守ったのは自分のアイドルという顔。
付き合ってるってなんなの。
彼氏ってなんなの。
そう考えているとが私の存在に気づく。
気付いた瞬間目に沢山の涙を浮かべ、なんで助けてくれなかったの、そう言われてるみたいで、益々自分が情けなくなった。
「二宮さん?お知り合いですか?」
「…いや、行こう」
そう言って泣いているの視線に気付きながら、何事も無かったように、関係無いような顔をして前を通りすぎた。
今のにとっては近くに居てくれた同期の住久くんが守ってくれる大切な存在であり、それを見ていただけの俺に彼氏という肩書きが当てはまるのだろうか。
には
本当に傍にいなくちゃいけない人が
自分以外にいるなんて、
今はまだ信じたくない。