第14章 14日目
「、彼氏できた?」
「え!」
「何、まだいないの?」
「あ、いやあ・・・」
こういう話になるとなんて言ったらいいのかわからなくなる。もちろんいます!大切な大切な二宮くんが!ただ、どんな奴だとか、どこで出会ったのかとか、写真見せろとか、仕事はなんだとか・・・私は嘘をつくのが下手くそらしいので、ものすごく困る。
「へえ、あんまり言えない人なんだ。」
「え!」
「あははっ、まじ?図星?」
「う、」
「こうゆうの許してくれる人なの?」
「こうゆうの?」
「・・・そっか、まあにとっては同期だけど、俺一応男じゃん?」
そう言って住久くんが苦笑いをする。
「あ、ああ!うん、お仕事忙しい人だし、今日は皆も一緒だから。」
お昼、二宮くんに「同期の子達と、いつものとこでご飯食べて来ます。」とメールで連絡したら、なん時間か後に「わかった!」と短い返事がきた。
二宮くんは私がたとえ男の人と2人でも、そこに関しては何も言わない人だ。それが二宮くんだ。他の子の話を聞くと、それが希なことらしいっていうのはすぐわかった。皆「2人はダメ!」って言われるんだって。「束縛嫌だ」と言う友達のそれを聞いて、少しだけいいな、思ってしまった。ダメダメ、人と比べるなんて。
「のこと、信頼してるんだな、その人。」
「そ、かな。」
「そうだよ、それに好かれてる自信があるんだろうね。」
住久くんがニヤニヤと私を見る。
「え!やめてよ!そんな顔で見ないで!」
「あはは、マジ顔あけーし!」
「そ、それより皆遅いね!」
腕時計を見るともう22時を過ぎていた。もうそろそろ一人くらい来てもいいはずなのに。
「あ、俺トイレ。」
「あ、はい。」
住久くんが席を立ち6人席のテーブルで一人ぼっちになった。二宮くん、まだお仕事頑張ってるのかなあ。二宮くんの話をしたら急に会いたくなった。付き合っていても、会いたい時に会えるわけではない。あーあ、話するんじゃなかった。