第6章 6日目
え、うっそでしょ?まさか…電話の相手って
「も、もしもし」
『あ、初めまして、二宮和也です。』
いつも聞いてる二宮くんの声なのに、少しだけ違う声でドキドキした。
「あ、に、二宮くん…」
心の中で、私だよ!私!!すみません、と謝る。
『…は、い?』
「…です、」
『…えっ!?あ、ああ、いい名前ですね。』
何故、気づかない!
「だから、…、なんです。」
『は?………はああああ!?!?なんであなたが潤くんと一緒なの!手作り弁当って何!』
松本さんの携帯が二宮くんの声のせいで震えるくらいうるさかったので、耳元から外した。
「いや、これには、わけが」
『時間、ない。潤君に代わりなさい。』
は、はい…と言って松本さんに携帯を返すと、驚いた顔して私を見ていた。
「…あ、 うん、え!?ああ、わかった、はーい。」
松本さんは携帯を切ると
「…二ノと知り合い?」と聞いてきた。
知り合い…ですね、完全に。
「なんか…その子馬鹿だから、よろしくねって頼まれたんだけど。特に男は近付けんなって。」
松本さんが意味深な笑いで私を見る。
「…」
「顔、あっけえっ!!」
困ったことになりました。私の反応で松本さんにもバレてしまったようです。