第24章 24日目
「ふむふむ、へーえ。
・・・全く覚えられる気がしないぜ。」
肩を落とす二宮くんに、私はいい考えを思いついた。
「こういうのってゲーム感覚ですると覚えるよね。」
「そうなの?」
「うん、二宮くんが例題出して、
私がその意味を考えて答えるってのは
どうでしょう。」
「…うん、面白そう。」
じゃあ、いくよ?とソファーに寄りかかって本を目の前で持ち、子供のようにワクワクした顔で私を見る二宮くんに、コーヒーを入れながら「はい、」と答えた。
「んじゃあこれ、」
「第一問、ジャージャン」と効果音までつける二宮くんに思わず笑ってしまった。可愛い。
「私とは相思相愛である。」
「え!」
「はい、相思相愛。はい、さん。」
「あ、えっと、とても・・・仲良しなこと、ですか。」
愛し合ってること、なんて恥ずかしくて言えないから、かなり和らげた表現を探す。
「・・・ふ、まあ、いいだろう。」
よくぞ逃げたな、とでも言うように私を横目で見る二宮くん。
凄く偉そうです、二宮さん。
「はい次。もう私達は朝雲暮雨ですな。」
「は、い?ちょ、ちょううんぼう?」
なんだそれ。聞いたことない。
「ひ、ヒントを・・・」
「え?やる?朝雲暮雨する?」
二宮くんが本を置いて、上目遣いで私にジリジリ近づいてくる。
「え、え、」
「するの?しないの?」
「し、しません。」
もうすぐで鼻がくっつきそうな位置まで二宮くんが詰め寄る。なんだか嫌な予感がしたので断った。
っち、と舌打ちをして私から離れる。
「こ、こたえは・・・」
「教えない。」
「ええ!」
なんですか、なんなんですかこのゲーム。
モヤモヤしたまま次に行くんですか司会者さん。
「はい次いっきまーす、
はまさに内助之功が上手です。」
「・・・えっと、夫が外で十分活躍できるように、
陰で支える妻の働き。」
ちょっと待ってください。
私今、褒められました?