第23章 23日目
「お久しぶりですね、二宮さん。」
「うん、正確には2回目だね。」
「はは、確かに。ちゃんと話すのは初めてですね。」
「そっか、そう言えばそうだね。」
住久くんと会ったのは2ヶ月前、でもと初めて会った時に名前を聞いていたから、初めてという感じが無かった。
仕事終わりに時間が出来たので住久くんに連絡して外で会うことになった。
「すみません、生意気にお呼び立てして。」
住久くんはさすが営業マンというか、礼儀正しい爽やかな男性だ。
「うんん、そんなことより話したいことって?」
なんとなくはわかっているけど、
「・・・もちろんのことです。」
「・・・・・・、元気?」
なんて聞いても意味はない。元気でも、なんか悲しいし、元気じゃなかったら、もっと悲しいしホントに私は何なんだ。
「・・・元気なフリは、してますけどね。」
「・・・。」
「二宮さん、どういうおつもりなんですか。」
怒鳴ってもいいはずなのに、住久くんは悲しそうな顔で単刀直入に聞く。その問いにうまく答えられない。
「・・・俺にどうしろって言うんですか。」
そう言って住久くんが唇を噛む。