第21章 21日目
お昼休み、いつものように食堂でお弁当を広げる。まわりにはいつもの仲間。食堂には大きなテレビもあって、話す人もいれば、暇潰しにワイドショーを見ている人もいる。
「ねえ、今日のスポーツ紙一面、二ノのことだったよ!」
二宮くんの名前に反応する。
「え?」
「あっ、私も見たよ!てか、今やってるじゃん!」
そう言って、テレビを指差す彼女につられて視線を移した。色んな音のせいで、音量は聞き取りずらいけど画面には二宮くんの似顔絵と「嵐、二宮深夜の手繋ぎデート」の文字。
「………」
状況が飲み込めずに、声を出すことも忘れていた。
「しかもアレ昨日でしょ!?お店の名前は出されてなかったけど、昨日私たちが行ったお店に二ノいたらしいよちゃん!住久が会ったって言ってたもん!やばくない!?」
「………、」
昨日の深夜…手を繋いでって、もしかして私のこと…?
「ちゃん?」
「、おーい、!」
「…え、あ、うん。ごめん、」
「どうした、そんなにショック?二ノに彼女。」
「…あ、いや、あのさ、その新聞まだ持ってる?」
「あ、うん、デスクにはあるよ?」
「み、みたい!」
「うん、じゃあ後で持ってく!いや、しかしやっぱりいるんだね彼女。ただ、スポーツ紙いわく…その女の子、二股、らしいよ?」
ふた、また…?え、どういう…
「は!?どっちが!?二ノが!?彼女が!?」
「彼女の方。二ノが出てきたお店で彼女が他の男と抱き合ってたらしい。んでその後、二ノと手繋いでるの目撃されてんだけど、二ノ血相変えてただならぬ雰囲気だったらしいよ?凄くない?」