第21章 21日目
ちょっと、待って…何それ、
抱き合ってたって、住久くんとのこと?
二股してる彼女って私のこと?
何これ、
勝手に話が進んでる…
蓋を開けたお弁当は手をつけられることなく、ただただお昼休みの時間だけが過ぎていった。頭に浮かぶのは昨日見た、二宮くんの顔。
『…2人だけだったら、』
『 だけ傍に居ればいいのに、』
昨日、私が嬉しくて笑った言葉の意味を
二宮くんが言った本当の意味を
今やっと理解できた気がする。
二宮くんにはこういうことが嫌でもついてくるってこと。放って置いて欲しくても、それが出来ない世界にいること。二宮くんと一緒だと、私もそれを経験していくんだってこと。
二宮くんがそのことに苦しんでるってこと。
昨日までの私の甘い考えに泣きそうになった。あの時二宮くんはどんな気持ちでこの言葉を口にしたのだろう。私に何て言って欲しかったんだろう。