第19章 19日目
「うー・・・」
「何、」
何って…こんな真っ昼間からこんな、こんな・・・お母さん、お父さんごめんなさい。もしかしたらお仕事頑張ってる方もごめんなさい。
白いシーツから出た上半身裸の二宮くんが頬杖付いたような格好で私の方を向く。
「う、」
そんな淫らな格好で可愛い顔しないでください。
「さっきから、う、う、ってどうしたんすか。」
二宮くんがフワフワした整えられてない自然な眉毛を下げて笑うと、ほんとにもう犬みたい。よしよししたくなるような、そんな感じ。
「淫らな娘でごめんなさい。」
私は恥ずかしくて両手で顔を隠した。
「あはっ、淫らな娘って、凄い言葉。」
だ、誰のせいですか、って思ったのが顔に出たのか
「のせいだよ、」とすぐに返された。
「な、なんで!」
「お腹空いたから、食べた、悪いか。」
悪くないけど悪い!
そんなジャイアンみたいな言い訳、通用しませんよ!
「…二宮くん、わがまま。」
「うん、だけにね?」
そうやって、私だけなんて言って、可愛く笑ったら喜ぶこと、二宮くんは知っててわざとしてるんだ。はい、その通りです、今非常に喜んでおります。
「嬉しいの?。」
わかってるのに、クスクス笑いながらわざとらしく聞いてくる。
嬉しいよ、なんて恥ずかしくて言えないから唇を重ねて返事をしたら二宮くんから「淫らなは大好きです」と言われた。
こんなゆっくりした時間の中で、何も考えずに、好きの気持ちを重ねるだけの1日があっても、たまになら悪くない。