第2章 2日目
「ねえ、本人目の前にいるのにコッチでいいの?」
私が隠した雑誌を目の前に持ってきてトントン、とアイドルスマイルの自分を指差す。
「だって二宮くん忙しそうだし・・・」
「あ、そっか、ごめん。」
思い出したように軽く謝る。ゲームには勝てないって、わかってる。
だけどね、やっぱり一緒にいられる時間は少しだからちょっとだけ気にしてくれると嬉しいな、なんて素直に言いたいんだ、本当は!
自分で発する言葉1つ1つに自己嫌悪が始まる。
「・・・私には素直じゃないのに、こっちでは笑ってるし・・・」
「うん。」
ただ聞いてくれる様子の二宮くんに甘えてペラペラと口が動く。
・・・こんなの、ただのワガママだ。子供みたい。
「好きなタイプなんて、知らなかったし、鍵なんてプレゼントされてないし、結婚なんてするんだ、って・・・私なんにも知らないよ。」
「うん、」
モヤモヤした気持ちを一つ一つ口にすると、
二宮くんがふっ、と声を漏らした。
「え、なんで笑うの!」
「え、だって・・ふふっ、ごめんごめん。」
ふん、いい歳してどうせお子様ですよ。
知りたいんだもん、二宮くんのこと。
小さいことでも何でも知りたいんだもん。
そりゃ隅々まで熟読しますよ。