第2章 2日目
「?はい。」
二宮くんは目尻を下げたように笑い左手を私に差し出した。
「え?」
「手、」
言われるがまま自分の右手を二宮くんの手に重ねた。少しだけひんやりとする二宮くんの手は気持ちがいい。
「二宮和也は好きな子と手を繋ぐのが大好きです。」
「・・・」
「私のことを知りたいと一生懸命で、雑誌に釘付けな姿が、可愛くて可愛くて仕方ありません。」
恥ずかしくて体が熱くなって視界がだんだん滲んでいく。そんなことお構いなしで二宮くんは容赦なく言葉を続ける。
「こんなことを言うとすぐ顔を赤くして、涙ぐむ子がタイプです。」
「に、のみ」
「・・・わかった?俺のこと。それとも、まだ言おっか?」
フルフルと首を横に振った。これ以上手を握られたままこんなこと言われたら熱が出そう。
「雑誌では言えないこと、だけに言ってあげるよ。何度でも。」
そう言って二宮くんは意地悪な顔をした。
そんな顔も素敵だと思う私はやっぱり馬鹿なんだと思う。
『 それだけで、十分です 』END.