第3章 群青
俺じゃだめなのか?
伝えることができたらどれほど楽になれるかわからない。
だが、そうすればきっと、彼女は迷うだろう、そして、また、この笑顔を曇らしてしまうぐらいなら..
「そう..か。なら、記憶を取り戻せるように努力するよ。」
それが彼女の望みなら。
「え?」
「いつになるかはわからんけどな。」
「..ありがとう」
はじめて俺に向けて笑ってくれた。
「でも..」
「?」
「無理はしないで」
「…………」
「あなたが生きていてくれるだけで、私は幸せだから。」
今は体治すことだけ考えて下さい、とニコッと笑う彼女をみて、
自分がどうしようもなく彼女に惚れているんだと思い知らされた。
ムウ・ラ・フラガとしてではなく、
ネオ・ロアノークとして、――――――。