第21章 *お互い様 feat.緑間
「ん…ん、ぅ……」
今までできなかった分、とでも言うように、何度も何度もキスされる。
唇から指先まで痺れが伝わって、力が抜けた。
真太郎も、笑ってはないけど幸せそうにしている。
その顔が…今でも変わらず好きで。
「っ…ふ、はぁ……真太郎、しつこすぎ…」
「嬉しそうに言われても…やめたくなくなる、だけなのだよ」
余裕そうに言う真太郎も、うまく呼吸できなかったようで、少し苦しそう。
体をぴったりくっつけたら、真太郎の鼓動が聞こえてきた。
「真太郎って、余裕そうに見えて照れ屋さんだよね〜」
「人のことを言えるほど、お前も余裕じゃなさそうなのだよ」
真太郎も優しく私を包んでくれて、ふわふわした時間が過ぎる。
クラスメイトが登校してくるまで、空気はずっと変わらなかった。
*お互い様*
余裕ぶってたり、
本当はドキドキしてたり、
そういうとこはお互い様だね。