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Sweet Love* Part3

第20章 *第2印象 feat.伊月


放課後、体育館に向かって、いつものように中央階段を駆けていた月曜日。

俺は、たった1人で階段掃除をする彼女を見つけた。

確かあの人は…頭がいいって噂の遠野さん。

交友関係は広くはないようで、ほとんど廊下にいるのを見かけない。

だから目にした回数も10回未満だと思うけど、真面目そうな子だなってのは知っていた。

周りには談笑をする生徒が多数で、どの人が掃除をサボってる人なのか、区別がつかない。

それでも遠野さんは、文句も言わず、ただ淡々と掃除していた。

頭で考えるより先に、体が動く。

「遠野さん!手伝おうか?」

突然話しかけられて、小さくだけど反応を見せる。

少し怯えてるみたいだ。

こういう風に話しかけられるのは、いつもからかわれる時だったのかもしれない。

「…もう少しで終わるから、平気」

「あ、それもそっか。じゃあ、明日から手伝ってもいい?」

「……ありがと」

言葉でこそお礼を伝えているものの、目は「明日になったら忘れるくせに」と言っている。

その誤解を解きたいとか、そういうんじゃなくて。

ただ、遠野さんに笑ってほしいと、なんとなくそう思った。
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