第2章 *似てるようで、違うような feat.笠松
幸君、大好き。」
それは、お兄ちゃんも幸君も、どっちも大切だってこと。
「…俺もだよ。」
幸君を抱きしめたら、その温もりに、笑顔と涙が零れた。
幸君も、ギュッと私を抱きしめ返してくれる。
「でも、勘違いされたくないから、これだけは言っておく。」
抱きしめられたまま、耳元で囁かれた言葉に、ドキンと胸が高鳴った。
──「俺はお前を、一人の女として好きだ。」
そっか。
お兄ちゃんと幸君は似てるけど、それでも何かが違うのは、性格とかじゃなくて…。
私にとって、幸君は「お兄ちゃん」じゃなくて『好きな人』だったからなんだ。
「…私も。」
二人にしか聞こえない小さな声で言った言葉は、二人の体温をもっと上げた気がした。
*似てるようで、違うような*
君は優しくて安心するけど、
その反面、
ドキドキだってしちゃうんだ。