• テキストサイズ

Sweet Love* Part3

第11章 *変化と相変わらず feat.高尾


「そ、そう言う真太郎は、顔変わらなすぎなの…!なんで少しも照れないの!?」

いつもと変わらない調子なようで、どうやら本気で怒ってるようだ。

真ちゃんが気圧されたように、言葉に詰まる。

ところが、さっきの勢いから一転、遠野さんは弱々しく言った。

「…本当に嫌いって言われたみたいじゃない…」

遠野さんがどんな表情をしてるかは逆光で見えないけど、真ちゃんは、ハッキリとそれに答えた。

「香奈、俺はお前が好きだ」

「…!」

突然の告白に、遠野さんがうろたえる。

「嘘じゃなくて、本当に好きなのだよ。だから、抱きしめてもいいか?」

「えっ!?そんな急には、ひゃう!?」

遠野さんの動揺を無視して、真ちゃんは遠野さんを抱きしめる。

2人の影の境界線が、見えなくなった。

「し、しんたろ…?ど…ドキドキしてる…」

「これでも照れてないと思うか?」

「…ううん」

俺には聞こえない真ちゃんの心音は、意外にも早いらしかった。

2人の雰囲気に、恥ずかしくて目をそらしてしまう。

──これ以上は気づかれそうだし、教室に戻るかな。

俺は、自分のことじゃないのに少しドキドキしながら、階段を下りるのだった。


*変化と相変わらず*

去年の今日から1年間。
これは、少しの変化があった1人と、
相変わらずな1人のその後の話。
/ 92ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp