• テキストサイズ

Sweet Love* Part3

第11章 *変化と相変わらず feat.高尾


「香奈、視界から失せろ」

「真太郎、気持ち悪いから死ね」

登校中。

自転車をこぎながら、俺──高尾和成は、後ろで交わされる2人の会話を聞いて、去年のことを思い出していた。

ちょうど1年前の今日も、エイプリルフールだった。

そこで2人はお互いを嫌いと言い合い、でも、最終的には付き合うことになったらしい。

今年も嘘つくのかなーと思ってたけど…まあ、予想通りだ。

「お二人さーん、いい加減、イチャつくのやめてもらえませんかね〜?」

「「イチャついてない!」」

「息ピッタリじゃん…」

後ろは見れないものの、ジト目を向ける俺。

そんな俺の視線に気づいたのかはさておき、2人はその後も、お互いに対する悪口を続けた。

…しかし、秀徳高校が見えてきた頃。

急に2人が静かになったと思ったら、遠野さんが、真ちゃんに小さな声で言った。

「…昼休み、屋上前の階段に来て」

ま、偶然とはいえ聞こえてしまったわけで。

これは行くしかないっしょ、と思い、笑いをこらえるのに必死だった。
/ 92ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp