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Sweet Love* Part3

第2章 *似てるようで、違うような feat.笠松


夜ご飯を作った後、一人で食べるのは嫌でお兄ちゃんの帰りを待っていたら、寝てしまうことはよくあった。

その度に、お兄ちゃんは私を優しく起こしてくれた。

「香奈ー、晩飯食おうぜ。」なんて言って、ニカッって笑って。

だから、親が出張でほとんど帰ってこなくても、寂しくなかった。



あれから数年。

お兄ちゃんは秋田の高校に進学したから、もう家にはいなかった。

一方の私は、お兄ちゃんを追いかけることもなく、今は海常高校一年生。

でも、お兄ちゃんが秋田に行く日はあんなに泣いていたのに、私は前と変わらず、寂しいとは思っていなかった。

それは多分───

「香奈、起きろ。」

…幸君がいてくれるから。

「ん…。幸君、おかえぃ〜…。」

「ただいま。」

ウトウトとしながらそう言うと、いつもちゃんと返してくれる。

「晩飯一緒に食おうかと思ったんだけど、まだ眠いか?」

「んーん、起きる…。ていうか、動けないから起こして…?」

「しょうがねぇな…。」

両手を上に上げてのおねだりも、小さい頃から変わらない。

幸君は呆れ顔をしながらも、抱きしめるようにして起こしてくれた。

思わずそのまま抱きしめると、「おい、俺腹減ったんだけど。」と怒られてしまう。

「はーい。じゃあ、あと3秒だけ…。」

寝起きの消え入りそうな声でそう言った後、5秒数えて離す。

「3秒じゃなかったのかよ。」

言葉ではそう言いつつ、表情は優しく笑ってくれる幸君に、私も笑い返した。
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