第3章 *伝え方 feat.宮地
「そういえば、今更だけどさ。」
私は熱くても平気だから、入れたばかりのココアを飲みながら、宮地君の言葉に首を傾げた。
「お前、寒くないのかよ?俺ばっかあったまってるし…。」
「別に、この毛布使ってもいいけど。」と言って、自分の肩にかけてる毛布を揺らす宮地君。
その意味がすぐ分かって、私はくすくすと笑ってしまった。
隣に座ってほしいだけなのに、不器用だなぁ。
「じゃあ、そうしようかなっ。」
「…ん。」
そんなとこも好きだけどね、と心の中で呟いて、宮地君の隣に座る。
肩や手をピッタリくっつけても、二人で使うには、毛布は少し小さく感じた。
「…お前、ちゃんと入れてねぇだろ。ここ座れよ。」
余裕そうにそう言う宮地君の顔は見えなかったけど、耳は真っ赤だった。
「じゃあ…お言葉に甘えて。」
言われた通り、宮地君の足の間に座ると、意外と近くて私も照れる。
「そ、その…
寒かったら、遠慮しなくていいからな…?」
彼なりの「またこうしたい」の伝え方。
頑張って伝えてくれたんだから、私もちゃんと返さなきゃ。
「うん、またしようね。」
顔は見えなかったのに、何となく、宮地君が微笑んだ気がした。
*伝え方*
伝え方はそれぞれでも、
私も君も、言いたいことは一つだけ。
「これからも、君の近くにいたい。」