第5章 シンデレラ
むかしむかし、とても美しくて優しい木村という娘がいました。
でも悲しい事に、木村のお母さんははやくに亡くなってしまいました。
そこでお父さんが2度目の結婚をしたので、木村には新しいお母さんと2人のお姉さんができました。
ところが、彼女たちはとても意地悪で、その本性は木村のお父さんが亡くなってから現れるようになりました。
新しいお母さんは、自分の娘よりも綺麗な木村が気に入りません。
「自分、ちょーっと別嬪やからって調子乗っとんちゃう?」
継母と2人の義姉は、辛い仕事をみんな木村に押し付け、まるで使用人のようにこき使いました。
それに木村の寝る布団は粗末な藁布団で、着る服はボロボロのつぎはぎだらけです。
お風呂に入ることも許してもらえず、木村の頭にはいつも釜戸の灰がついていました。
「フハッ!てめぇには“灰かぶり”って名前がピッタリだな」
「あははっ!確かに〜」
そんな木村を見て、義姉の花宮と原はいつも馬鹿にしたように笑います。
可哀想な木村でしたが、それでも木村の美しさは義姉達とは比べものになりませんでした。