第3章 流川楓との出会い編…「センパイ」
「勘違いじゃないっす。確かにそーゆーとこある。」
「あ、勘違いじゃないんだ、よかった!」
赤木くんならいいアドバイスきっとくれるから、もし不安なら聞いてみて、と言いながらニコッと笑う。
「じゃあ私そろそろ帰るね。明日もあるしほどほどにね。」
「わざわざありがとーございました」
軽くぺこりと頭を下げると、気にしないで、と言いさんは帰っていった。
正直、のんびりしててどんくさそうなセンパイと思っていたが、そうでもないらしい。
俺も癖が気づかれるなんてまだまだだな、と思いつつ練習に戻った。
普段他人と会話をするのは億劫だけど、さんとの会話はどこか居心地がいい。
不思議な感覚を胸に持ちながら、練習に励んだ。
end