第3章 流川楓との出会い編…「センパイ」
どんくさそう
それが最初の印象
番外編:「センパイ」
バスケ部に入部した。
正直、サクラギとかいう赤頭がバスケ部に入った時はまじかよって感じだった。
だが、そんなの関係ねぇ。
俺は俺のやらなければならない事をやるだけだ。
バスケ部の練習のあと、全員が帰ったあと、こっそり体育館に忍び込んで練習をするのが俺の日課だ。
今日も夜遅くに忍び込み練習をはじめる。
「はぁ、はぁ…」
なんどもなんどもイメージしながらシュートを決める。
すると後ろのドアが開く音がした。
しまった、見つかったか。
「…さん?」
「流川くん、やっぱり!」
センコーが入ってきたのかと思ったが、入ってきたのはマネージャーのさんだった。
さんは手にコンビニ袋を持って、恐らく家に帰ってまた来たのか私服だ。
「なにやってんすか」
「流川くん、夜練習してるでしょ?わたしこの間忘れ物取りに来ら流川くんが練習してるの見つけてね。差し入れに来たの」
休憩したら?とスポーツドリンクを渡される。
「…あざっす」
こんな夜に一人で来たのか…危ねぇとか考えねぇのかこの人は。
「どう?バスケ部慣れた?」
「まぁまぁ」
貰ったスポーツドリンクを飲みながら、答える。
適当に返してるのに、さんは楽しそうに聞いている。
「流川くんは赤木くんのきつーい練習にもちゃんとついてきてるよね、すごいよ」
「そんなことないっす」
「あ、でもさ、練習見てるとたまに流川くん癖、でてるよね?」
「癖?」
癖ってなんのことだ?と思うとさんが今までの練習の中で見てきた俺の癖について話す。
まさかそんなとこ気づいてたのか。
俺が驚いて何も話さなかっなら不安げな顔をしてきた。
「あ、偉そうにごめんね。でも、勘違いじゃなかったら、、影響するんじゃないかなって思って…」
「いや、びっくりして」
「びっくり?」
「癖とか、あんま今まで言われたことない」
「へ?!もしかして私の勘違い??は、恥ずかしい」
何を勘違いしたのか、俺の癖を自分の勘違いだと思っているみたいだ。
鋭いんだか鈍いんだか、わかんねぇ。