第3章 彼にとってのその日
そんなことを考えていると、
最後の力を振り絞るかのように
リナは
また現実に戻ってきた。
どれだけ
俺のことを
楽しませてくれる気なのか。
「そんなに一緒に寝たいのか。
昨日怖い夢でも見たのか?」
「ううん、違う。」
ここまで頑なに1人で寝るのを
拒否している姿を見ると、
さすがに心配になる。
それに、
時間を気にする回数も。
何かタイムリミットでもあるのか。
「エルヴィン」
まだまだリナのことを
理解出来てないんだと感じ、
悔しくなった。
このような立場上、
色々な関わりの中で
気持ちを汲み取ることは
得意なつもりでいたのに。
しかし
一番知りたい彼女のことを
一番わからないのなら、
そんな特技は無意味だ。