第1章 師団長と団長
ナイルはリオを
エルヴィンの視界から奪うように
手を引いて立ち上がらせ、
有無を言わせず
寝室へ連れて行った。
「ちょっと、
エルヴィンさんの布団は?」
「ソファで十分だろ。」
「あぁソファで構わないよ。」
ナイルの嫌味を諸共せず
笑顔でエルヴィンは了承した。
その後、
ナイルは再びリビングに
戻ってきたかと思うと、
枕と毛布をエルヴィンに投げつけ、
電気のスイッチはあそこだの
コンセントはあそこだから
勝手に充電なりなんなりしろだの、
怒っているのか
親切なのかわからない発言をして
再び寝室へ戻った。
そんなちぐはぐな態度に、
エルヴィンは
ニヤつく口元を抑えられなかった。