第3章 ミケ・ザカリアスから見たエルヴィン・スミスの恋愛
俺とエルヴィンとナイルは夕食が終わった後の自由時間には、
大抵書庫に陣取る。
座学が不得意な俺にエルヴィンとナイルが
色々教えてくれているのだ。
逆に実技は俺が二人にコツを教えている。
コッソリくすねてきたお茶とお菓子を食べながら、
今日も書庫で勉強したり世界の謎について語り合う。
俺は本を読むのが苦手だったが、
二人が掻い摘んで教えてくれるので楽しく勉強が出来た。
「そういや、今日また別の女と歩いてただろ?」
そう切り出したのはナイルで、俺は内心ギョッとしたが
エルヴィンは特に気にする様子もなく「まぁね」と肩を竦めた。
「前から思ってたんだけどさ、おまえ銀髪の女が好きなのか?」
直球過ぎるナイルの質問にエルヴィンは
「う~ん・・・」と考える仕草をしてみせる。
「銀髪なら誰でも良いって訳じゃない」
「ほほう?銀髪で小柄な女がタイプなのか?
今まで長く続いた女は銀髪に小柄な女だった。
銀髪なだけだったり、それ以外の髪の女は下手すりゃ
翌日に別れてたじゃねぇか」
「よく見てるね、ナイル。俺に気があるのか?」
クスリとからかうと、ナイルは顔を真っ赤にして
「馬っ鹿じゃねぇのっ!俺は女が好きなんだ!」と怒った。