第3章 ミケ・ザカリアスから見たエルヴィン・スミスの恋愛
「ミケ?こんな所に突っ立ってどうした?」
廊下の窓からエルヴィンを見ていたら、
ナイルに声を掛けられたのでダメ元で尋ねてみる。
「ナイル・・・おまえはエルヴィンの好みを知っているか?」
「エルヴィンの好み~?そりゃ、銀髪の女に決まってんだろ?
付き合ってる女は大体そうじゃねぇか」
ナイルもその事に気づいていたらしい。
「あいつに直接聞いた事は?」
「・・・いや、ねぇけど。つーか、おまえも知らないのか?」
「あぁ、知らないな」
「ふぅーん・・・。でも何でいきなりエルヴィンの好みが
気になったんだよ?」
「・・・あいつがいつも・・・・遠い目をしてるから・・・・」
「はぁぁ?」
そう言うとナイルは窓の外にエルヴィンと彼女に気づいたらしく、
俺と同じように外をジッと見つめた。
「あいつ・・・・また女変えやがったか?」
「つい先週にな」
「マジかよ!?
・・・くっそぅ、俺なんて告白された事なんて無いのにっ!!
ミケは・・・・あるのか?」
「一応。でも、どれも好みの匂いじゃなかった」
「匂いで選ぶのか!おまえはっ!!!」
ぎゃあぎゃあと騒ぐナイルを尻目に、
俺はもっとエルヴィンを知りたくなった。
時折、仄暗い瞳をするあいつが人を好きになることがあるのだろうか?