第3章 ミケ・ザカリアスから見たエルヴィン・スミスの恋愛
―――エルヴィンは、やたらとモテる。
容姿端麗、頭脳明晰で訓練兵団を上位で卒業する事が
確実だと言われているから、当然かもしれない。
あいつとは二年の付き合いだが、
その間に気づいたことがある。
割りと引っ切り無しに告白されているが、
付き合うのは大体銀髪の女だ。
その次に確率が高いのは小柄な女。
最初の頃は告白されれば片っ端から食っていたが、
それに飽きたらしく今では好みが出てきたらしい。
俺は匂いフェチだが、エルヴィンは銀髪フェチなのかと思ったものの、
それもどうやら違うようだ。
何度か付き合っている女と一緒にいるエルヴィンを見掛けて
わかった事がある。
あいつは目の前にいる女を見ていない。
もっとずっと違う女を見ているのだと俺は気づいた。