第2章 ナイル・ドークから見た二人
「何すんだ、ミケ!」
「ごめんよ、ナイル。
ミケは人の匂いを嗅ぐのが大好きなんだ。
大目に見てやってくれ」
「男の匂い嗅いで何が楽しいんだ!噂通りの変人じゃねぇか!」
俺が動揺しまくってそう叫ぶと、ミケは少し俯いちまった。
随分酷いことを言ったと気づいたが後の祭りで、
俺が何か言おうと必死に考えていると
ミケは顔を上げてハッキリ言い切った。
「俺が最近お気に入りなのは、欲情した女のま・・・」
「こら、ミケ!余計な事言わない」
ゴスっとミケの頭にチョップを入れたのはエルヴィンで
・・・・途中で遮られたミケの言葉を予想できた俺は
顔を真っ赤にした。
「え、な、おま、えっ!?何言い出しやがった、ミケ!?
前言撤回だ!おまえは変人じゃなくて変態だっ!!」
どもりまくって言った俺の発言にミケは
明らかに不満そうな顔をする。
「・・・男は皆変態だ。欲情した女の匂いは格別だぞ」
「いらんわ、そんな情報っ!!・・・ていうか、えっ!?
おまえ経験あんのっ!?」
それにはエルヴィンも目を見開いて俺を凝視してきて、
途端罰が悪くなる。
「・・・・ナイルは・・・まだなの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
正直、言葉を失った。
何でそんな憐れむような目で見られなきゃならないんだ!