第1章 プレゼントを贈ろう!
「団長!お誕生日おめでとうございます!」
「あぁ、ありがとう」
――忙しい毎日を送るエルヴィンは、
部下にそう声を掛けられ初めて今日が自分の誕生日だった事に気づいた。
忘れていたことなど悟られないように、
祝いの言葉を述べてくれた兵士に笑顔を向けて返すと、
部下は顔を赤く染めながら頭を下げて去って行った。
何とも微笑ましい反応だと思いながら執務室へ歩き出すと、
また違う兵士に「お誕生日おめでとうございます」と声を掛けられ、
プレゼントまで貰ってしまった。
執務室へ辿り着くまで、エルヴィンは引っ切り無しに声を掛けられ
様々な贈り物を貰い、その贈り物が多過ぎて前が見られない状態にまで陥り
嬉しいやら恥ずかしいやらで苦笑いが漏れる。
このままでは転んでしまいそうだと思いながらも、
折角部下達がなけなしの給料を使ってプレゼントしてくれたので
無碍にも出来ず、ヨロヨロと歩を進め無事目的地に着いた。