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皆で全身全霊で団長を祝う

第2章 全ての奇跡に感謝を・・・






夕食が終わり寝るまでの間に
今日貰ったプレゼントの整理をしておこうと片付けていると、
エルヴィンの執務室を少しボロボロになったリヴァイとミケが訪れ、
誕生日プレゼントとしてかなり値の張る高級酒を渡された。


「ありがとう、嬉しいよ。大事に飲むよ」


深い付き合いをしているだけあって、
エルヴィンの好きな味のものだった。

少し意地悪を言いたくなったエルヴィンは口角を上げ
「・・・ところで」と話を切り出す。


「ナナシの下着の奪取に失敗したのか?二人共・・・」


それを聞いた二人は苦虫を噛み潰したような表情をして、
エルヴィンを睨んだ。

特にリヴァイはエルヴィンを殺しそうな勢いで睨んでいる。


余程、酷い目にあったのだろう・・・。
・・・まぁ、こうして生きていてくれたのだから問題はないか、と
エルヴィンは薄情な事を考える。


「それで、ついさっきまで気絶していたのかい?」

「・・・・・・・・・・・・いや」


エルヴィンの質問にミケが言い淀んだが、
リヴァイが苛立たしげに答えをくれた。


「ナナシの奴に叩き起こされた俺らは、
そのまま近くの山まで強制連行された挙句、
強制労働させられた」

「・・・・ほう?強制労働の内容は?」

「栗拾いだ」


簡潔に答えたミケの言葉にエルヴィンは目を丸くして
「栗拾い?」と聞き返してしまったが、
二人が首肯したので聞き間違いではなかった。


何のために?と二人に尋ねてみたが、
その答えは持ち合わせていなかったようで「さぁ?」と言われる。


「そんな訳のわからない事に駆り出されてたまるかって
逃げようとしたら、容赦なくあのイガを投げてきやがって・・・っ!」

「しかも命中率がほぼ100%だったな。
まず足の関節目掛けて豪速球が飛んできて、
転んだ所で急所を狙うという恐ろしい事を淡々とこなされた」

「それは・・・・ご苦労だったね、二人共」


成程、だから二人はこんなにボロボロなのか。

隙を見て逃走を謀るも悉く失敗し、痛い目を見たのだろう。

それを目撃していなくとも、エルヴィンにはナナシの容赦無い攻撃が
手に取るようにわかってしまった。

なので、労いも込めて
「一杯やっていくか?」と彼らを慰めようと棚からグラスを取り出す。



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