第1章 何故か。の設定等
そよそよと風が少女の髪を撫で、吹き渡る。
髪が宙を舞い、太陽の光を反射してキラキラと輝く。
少女の足元に広がっているのは、硬いアスファルトではなく髪よりも太陽の光を反射しキラキラ、チカチカと煌めく透明度の高いエメラルドグリーン
少女は靴と靴下を履いたまま、それに浸かっていた。
気持ち悪くはないのだろうか?
そのまま、少女は前へと、濃いエメラルドグリーンへと進んでいく。
不思議なことに、音はしなかった。
風の音だけが鼓膜を振動させた。
まって
私は口を動かしたが、その声すらも聞こえはしない。
少女の背を目指し、私は走った。
しかし、一向に追いつくことはできない。
焦りで足がもつれ、転んでしまう。
少女は振り向くことなく前に進んでいく。
まって…まってよ!ねぇ、まって!
起き上がって走る。
それでも追い着けはしなかった。