第1章 海神の巫女
私の社に着いたのは、次の日の昼頃。
足軽「姫御前、大阪城の大谷さんは何の話をされたのですか?」
一応話をしておきましょう。
鶴姫「条件付きで、西軍に加わってほしいとの話ですよその条件付きとは、よう闇の羽の方と引き換えだそうです」
足軽さんは『はぁ、そうですか』と呆れた目で見ています、私何か悪いことしましたかね。
鶴姫「私何か悪いことしましたか?」
足軽「そうじゃありませぬ、姫御前が決めた事なら従うまでです」
良かった、不満に思われてなくて。
でもこれで、何とか戦はどこにつくかはいつかは決断しなくちゃいけない手間が省けました。
私は執務室に行って、書物でもしましょう。
中に入ると、本が机の上に積み上がっています。
ここから、片付けなきゃいけないのですね。
それから何分かして。
足軽「・・・姫御前」
目を開けると、足軽さんがいます。
鶴姫「私寝ていたんですね」
足軽「大丈夫ですか姫様? ご調子でも悪いんですか?」
余計な心配させてしまったでしょうか?
私はニッコリと笑顔を作って言う。
鶴姫「大丈夫ですよ、体はどこも痛くもありませんから」
執務の続きをしないと。
足軽さんはまだ心配そうな、顔をして執務室から出ていったそれから一時間。
足軽「姫様お茶でございます」
入口の戸が少し開いて、お茶だけが中に入る。
それと手紙。
お茶を机の上に置いて、私は手紙を広げる。
『鶴姫殿へ
前は同盟してくれたこと、感謝いたす。
早速でわるいのだが、松永壇上久秀に会ってはくれぬか予言の巫女ならば、居場所くらい分かるであろう?
大谷吉継より』
あの大谷さんからの頼みごとですか。
予言の力はこまめに使いたくないのですが。
目的の為です。
外に出ると、軽そうな髪は長くて、茶色で長い刀を持ち肩にはお猿さんがいます。
???「あんたが鶴姫ちゃんかい?」
私のことを知っている?
鶴姫「誰ですか?」
???「おっとこいつはすまん、俺は前田慶次、前田の風来坊さ」
風来坊? あの前田家?
鶴姫「お初にお目にかかります、鶴姫と申します」
慶次「でさ、早速なんだけど」
このひとも予言をたのりに?
鶴姫「予言なら、お断りします」
慶次「そうじゃないよ、長曽我部元親に会わせてくれないかな、船がいるんだ」