第26章 脱・学ラン
Miyuki side
夏休み明けの学校。3年は受験モードに入っている。
(やっぱ部活ないと暇になるよなー)
「勉強の調子はどう?」
近くの席の倉持に声をかけてみると、「るせっ!」と威嚇された。倉持は手に持っていたシャーペンを置き、こっちに向き直る。
「木下のやつ人気みたいだけど、大丈夫なのかよ」
そう、友達の少なかった結はもはや学校の人気者。男女に慕われる元応援団長であり、男子からもちょくちょく告白されているらしい。
「大丈夫だろ?」
「つか、お前もモテてるみたいだけどな? いつでも木下を譲ってもらっても構わないぜ? ヒャハ!」
おいおい、冗談でも笑えねーよ倉持?
「あんなに良い彼女、他の誰かに譲ってたまるかよ」
誰にも譲らない。
何があろうと、あいつはずっと俺のそばに。
(ここに来るまで時間かかったもんな)
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主人公side
指定校推薦が確定していても、私は勉強をした。
(ちゃんと、自分で稼いで自分で暮らせるくらいの仕事に就きたいしね! 今のうちに勉強をしておくべきだ)
この先、ずっと一也と一緒にいたいから。一也のそばに居られるように私は頑張って自分を磨くんだ。
(私は、学ランを脱いでも応援団だ)
頑張る君を、ずっとそばで応援していたいから。