第12章 -インターバル事件簿-
「大丈夫か?怪我ねぇか?」
明らかにわたしが悪いのに、
優しい声を掛けてくれる宮地さん…
そして、その声に我に返る。
受け止めて…というか、
わたしが宮地さんの上に倒れ込んで、
膝に座っているような状態だったから。
「ごめんなさいっ‼︎」
わたしは慌てて離れようとして、
宮地さんに支えられたまま顔をあげた。
「きゃっ‼︎」
でも、またしても
悲鳴をあげてしまい、
わたしは宮地さんから飛びのいた。
ただでさえ、テンパっていたところに
宮地さんの顔のアップ…
イケメンの顔のどアップに、
わたしはもう真っ赤になって
平謝りするしかなかった。
「ご、ごめんなさいっ‼︎
本当にすみません!
怪我ないですか?」
「ねぇよ。つぅか、
その逃げ方なんだよ⁈轢くぞっ‼︎」
「えっ⁈」
「…♪(ふぅん…可愛いじゃん。)」
わたしかキョトンとしていると、
宮地さんはニヤリと笑っていた。
「宮地さん、すみません!
ほら!すみれ!始まんぞ‼︎」
宮地さんの笑った意味は
わからなかったけど、
わたしは虹村先輩に促され、
やっと席に座ることができた。
「「「うわぁぁぁぁっ‼︎」」」
席に座って少しすると、
ものすごい歓声とともに、
桐皇と誠凛の選手たちが出てきた。
な…なんだか落ち着かない
インターバルだったな…。
わたしはコートの中で
ひときわ目立つ大ちゃんを目で追った。
第3Qが始まる…。