第2章 -熟睡できる部屋-
女のコ向けのファッション誌に
マイちゃんの特集の小冊子が付いていた。
普段あまり買わないのに、
大ちゃんが喜ぶかな…って思って
つい買ってしまった。
女のコ向けのだから、
水着のではないんだけど…。
「おっ♪サンキュ♪」
大ちゃんは嬉しそうに小冊子をめくっていく。
「やっぱ可愛いなぁー。
ま、水着のがいいんだけどな〜。
おっ!これとか可愛いなぁ。」
「どれ〜?」
大ちゃんが可愛いと言ったページを
さりげなく覗き見る。
夏らしい白のレースのトップスに
水色のショートパンツだった。
タッタッタッタッ…
大ちゃんと小冊子を見ていると、
階段を駆け上る足音が聞こえてきた。
ガチャ…
「あー!やっぱりココにいた!」
息をきらして入ってきたのは、
わたしのお姉ちゃん…
桃井さつきだった。
「お姉ちゃん、ノック〜」
「ごめんごめん。
すーちゃん、ただいまぁ!」
「きゃ…。お姉ちゃ〜ん…」
お姉ちゃんがわたしに抱きついてくる。
ノックをしないのも
抱きついてくるのもいつものこと。
いつものことで慣れちゃったけど、
いつまでも妹離れしないお姉ちゃんに
少し呆れてしまうけど、
やっぱりお姉ちゃんは可愛くて、
つい頭をナデナデしてしまう。
「さつき〜!お前いい加減妹離れしろよ。
すーから離れろ。」
「きゃ…」
グイッと右手を大ちゃんに引っ張られ、
今度は大ちゃんに抱きしめられてしまった。
「青峰くんっ!わたしの妹なんだからねー!」
大ちゃんがいる時は、大抵こうなる。
兄弟がいないからか、
大ちゃんはいつも、お姉ちゃんと
わたしの取り合い?をしていた。
「青峰くんっ!
また今日も部活サボって〜!
探したんだからねっ。」
「あん⁈そんなのオレの勝手だろ⁉︎」