第8章 -新旧光対決 Part1-
「この間、海常で緑間先輩に会ったとき…火神さんと黒子先輩とも会ったの。」
「は⁈聞いてねーぞ⁈」
「言ってないもん。」
「オマエ、黄瀬にも会ったのか?」
「…うん。」
あ…ヤバ…。この話になると、
またどこの高校受けるのか…
って話になっちゃう…。
そう思った時、正面から、
救いの女神さまが現れた。
「あ…‼︎お姉ちゃん‼︎」
「あ?さつき?」
大ちゃんの力が緩んだ隙をついて、
わたしは大ちゃんから離れ、
お姉ちゃんに駆け寄った。
「なんでいんだ?こんなトコ…」
「すーちゃん⁉︎青峰くんも…
てゆぅか‼︎ちょっ⁈
青峰くん‼︎それはこっちのセリフよ!
今日、練習でしょ⁈」
さっきの大ちゃんのように、
今度はお姉ちゃんがすごい剣幕で
大ちゃんに食ってかかるが、
大ちゃんは淡々とこたえるだけだった。
「火神ってのと会ってきた。」
「行くなって散々言ったじゃん!
それにたぶん彼の足はまだ…」
…⁈火神さん…怪我してたの⁈
「っせーなー。わってるよ。
つか、悲しいのはオレのほうだぜ?
これから少しは
楽しめるのかと思ったのに、
ガッツ萎えたぜ。」
大ちゃんはふぁ〜っとあくびをしながら、
つまらなさそうに話していた。
「このまま練習フケる。
…はぁ〜ダリ〜…米食いてぇ…」
「ちょっ…」
「さつきは学校戻んだろ?
すみれは?一緒に帰るか?」
…⁈
「ううん…図書館行かなきゃ…」
大ちゃんが心配ではあったけど、
何か話してくれるなら…
何も話さなくても…
一緒にいるなら、また夜がいい。
そう思った。
「はぁ…
足の分差し引いてもありゃねーわ。
テツの目も曇ったもんだぜ。
アイツじゃテツの力を
全て引き出せねぇ」
大ちゃんはそう呟くと、
1人で行ってしまった。
「お姉ちゃん…」
「大丈夫よ。
たぶん…学校に行ったと思う。」
やっぱり…お姉ちゃんのほうが、
大ちゃんのコト、よくわかってるよね…。
「うん。じゃあ、わたし、
図書館行ってくるね。」
「うん!ねぇ、すみれ?」
「なぁに?」
「本当に桐皇は受けないの?」
「…うん。」
お姉ちゃんの淋しそうな瞳に
わたしは罪悪感に似たような
胸の苦しみを感じていた。