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〜蒼い青い片想い〜

第8章 -新旧光対決 Part1-


桐皇vs誠凛の試合の1週間前の土曜日、
わたしは塾の自習室がいっぱいだったので、
いつもは行かない図書館へ向かっていた。


普段歩くコトのない街…
見慣れない街並みは、
勉強で疲れていたし、
大ちゃんのコトも
色々考えちゃってたし…
いい気分転換になった。


公園を抜けたところに
図書館があるので、
公園の中の緑のトンネルを通る。




ダムダムダム…





ドリブルの音…⁇


聞き慣れた心地良い音に
思わず立ち止まってしまい、
わたしはバスケのコートに近づいた。


「…つまり輝き次第で
アイツは強くも弱くもなる…」


えっ⁈この声…⁈


「オマエの光は淡すぎる…」


コートの中に入ると、
大ちゃんが飄々としながら、
汗を拭っていた。


「大ちゃん⁉︎」


「ん?すみれ?
なんだよ、こんなトコで?珍しいな。」


「大ちゃんのほうが珍しいよ‼︎
こんなトコで何してるの⁈」


「あ?ちったぁ退屈しのぎに
楽しませてくれるかと思ったけど、
退屈しのぎにもなんなかった…
そんだけだよ。」


「………。」


大ちゃんが負かした相手は、
呆然と立ち尽くしていた。


あれ…?この人…?


「火神さん⁈」


後ろ姿だし、私服だったのもあって
最初はわからなかったけど…
大ちゃんが負かした相手は、
火神さんだった…。


「…⁈オマエ…黒子の…?」


火神さんは、まだ呆然としたまま、
わたしに視線だけ向けたので、
わたしはそれに、
ぺこりと会釈して返した。


「…⁉︎すみれ⁈どういうコトだよ⁈
なんでコイツのコト知ってんだよ⁈」


大ちゃんはすごい剣幕で、
急にわたしの腕を掴んだ。


「大ちゃん?痛い…」


「あ⁈行くぞ‼︎」


大ちゃんは火神さんを置いて、
そのままわたしの手を引き、
バスケコートを出た。


「大ちゃん‼︎い…痛い!」


「あ…わりぃ…」


大ちゃんは、
腕を掴むのはやめてくれたけど、
代わりに後ろから、
わたしに覆いかぶさるように
わたしに抱きついてきた。


「ちょっ⁈大ちゃん…⁈」


「で?なんで火神のコト、
知ってんだよ⁈」


「大ちゃん‼︎
暑いし、汗臭いからイヤー‼︎」


「うっせぇ‼︎質問にこたえろ‼︎」


大ちゃんは文句を言う
わたしを無視して、
はなしてくれない。

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