第7章 -ご機嫌ナナメの青色の彼-
-青峰side-
『あーーミドリンひっさしぶりー‼︎
どーだった試合ー⁉︎
勝ったー⁉︎負けたー⁉︎あのねーこっちは…
あ…切られちゃった。
もう‼︎ミドリンのバカーー‼︎』
練習後の誰もいない体育館。
いるのはオレとさつきだけ…。
体育館に鳴り響く大雨の音にも負けない
でけー声でさつきが電話している。
今日はIH予選決勝戦…
誠凛vs秀徳の試合をしていたはず…
そりゃ…緑間も切るだろうな。
「貸せ‼︎」
「あ‼︎ちょっ…わたしの…‼︎」
プルルルル…プルルルル…
『なんなのだ、いいかげんに…』
『んだよくれーなー。
さてはアレっしょ⁉︎負けちゃった⁉︎』
2コールで緑間は出た。
あいつも誰かと話したかったのか…?
『…青峰か。…そうだ。
せいぜい決勝リーグでは気をつけるのだよ。』
『はーいー⁉︎何言ってんだよ⁉︎
キモイッて!』
緑間が…負けたか…
テツ……いや…
『オレを倒せる奴なんざオレしかいねーよ。』
『相変わらずだな、青峰。
分かっているのか?
つまり決勝リーグで黒子と戦うということなのだよ。』
『…なんかカン違いしてるぜ、緑間…
昔がどうでも関係ねぇだろ?
今は…敵だ。』
『じゃな…切るぜ。』
『待て、青峰。』
『あ⁈んだよ⁈』
『この前…すみれに会った。』
『あ⁈なんでだよ⁈どういうコトだ⁈』
なんですみれと緑間が⁈
「ちょっ⁉︎青峰くん⁈どうしたの⁈」
さつきがオレからスマホを奪おうとするが、オレはさつきを無視して緑間と話し続けた。
『海常に誠凛との練習試合を観に行ったら、すみれがいた。学校説明会だったらしい。…それだけなのだよ。』
は⁈学校説明会…だと…⁈
『青峰⁈聞いているのか?』
『あぁ。よーく聞いてる…』
『すみれは…
志望校を迷っているようだったが?』
…⁈桐皇じゃ…ねーのか⁈
そういや、あいつの志望校なんて、
聞いたコトなかったな…
でも、あいつは…
『青峰?』
『うっせぇ‼︎聞いてんだろーが‼︎』
『はぁ…。迷っているのなら、
秀徳も一度見に来るといいと
言っておいたのだよ。』
『は⁈ ふざけんな‼︎切るぞ‼︎』
オレは緑間との電話を切った。